RED GARDEN 第20話「残された部屋」感想、及び現時点での作品全体の展望

今回も、エミリオの死、ドロルによる計画の事実上の破綻、リーズの暴走、明かされるアニムスの真実・・・と見所満載でした。特にリーズは今後の展開においてどういう位置づけになっていくのか注目です。ただ、ここまでリーズを物語の根幹に絡めてくるのなら、序盤〜中盤にかけて各ヒロインとリーズの回想シーンを挿入するなどして、もう少し彼女の存在感を大きくしておいても良かったんじゃないかなぁと思います。
そして、頑として父親を拒み続けていたクレアがついに和解。父親は無関心だったのではなく、ちゃんと裏で兄の後始末をつけていたのですね。単に尻ぬぐいをするのではなく、優しさと厳しさをもって息子の成長を見守り再出発を支えている点は、典型的な「不器用オヤジ」らしく好感が持てます。マフラーの受け渡し、そして車の中で一人涙するクレアのシーンは、沢城みゆきの演技力とも相まって胸に込み上げてくるものがあります。やっとお互いに理解し合えたというのに、別れなければならないというこの切なさ・・・。


しかしこの作品、後半に入ってからますます細かい日常・人物描写が巧みになってきていると感じます。台詞回しの上手さやプレスコによる収録なども、臨場感を増幅させるのに大きな役割を果たしています。
ただその一方で、絵的にもストーリー的にも大きな「見せ場」が無いため、やや冗長に感じてしまうのが欠点でしょうか(序盤にはミュージカル的な演出などもありましたが)。物語の骨子が掴めず、視聴継続を諦めてしまった人も多そうな気がします。今回の最後に出てきたアニムスの親玉的存在も、もう少し早く存在を明らかにしても良かったかも・・・(蛇足ですが、スタッフが同じだけに、あの人形からはどうしてもローゼンメイデンを連想してしまいますw)。
以前どこかのブログで、「GONZOの長編アニメは忍耐を持って観続けることが肝要だ」といった内容の記事を見た記憶がありますが、まさにそんな感じです。とはいえ、今のところTVシリーズで定期的にオリジナル作品を生産してくれるアニメ制作会社はGONZOくらいしか無いので、個人的に応援したい気持ちはあります。DVDの値段がもっと安ければなあ・・・。
何にせよ、もっと多くの人に観て欲しい作品なんですけどね、一ファンとしては・・・。ていうかテレ朝、最後まで放送してくれ。


それにしても、歌CMの全員バージョンが作られるとは!w 今週流れたのはレイチェルver.とローズver.で、クレアver.は来週以降のようですね。ガラスの艦隊といい、GONZOのCM作成センスは全くもって最高。