ベルギー王立美術館展@国立西洋美術館


http://event.yomiuri.co.jp/royal/index.htm
日曜に行ってきました。内容としては、16・17世紀のフランドル派から近代の象徴派・シュールレアリズムに至るまで、ベルギーの美術史を一望できるものでした。


古典油彩の展示では、ヤーコプ・ヨルダーンス作「飲む王様」や、ピーテル・ブリューゲル〔子〕作「婚礼の踊り」などのように、フランドル絵画独特の繊細な描写と豊かな色彩で、庶民(農民)の生き様や当時の風俗などを味わうことが出来ました。他には、ジャック・ダルトワの「冬景色」は細かい筆遣いがとても綺麗でしたね。
聞けば、ブリューゲルルーベンスに代表されるフランドル絵画は元々ベルギー発祥らしく、実際にそのボリュームと絵画的伝統溢れる作品群を目の当たりにして、さすが言うだけのことはあるなあ、と感じました。


一方の近代油彩では、うって変わって人間の内面を深く抉るような展示作が多くなっていました。デルヴォーやアンソールの作品、マグリットの「光の帝国」などはその代表格でしょう。
しかし一番気に入った作品は、エミール・クラウスの「陽光の降り注ぐ小道」でした。卓越した光の表現により、素朴な農村の風景と木漏れ日の温もりが伝わってくるようです。この人の名前は初めて知ったのですが、もっと色々調べてみようと思います。


また、常設展の方も久々に行ってきたのですが、やはり何度見ても飽きませんね。特に新館2〜1階は好きな作品ばかりなので、つい時間を忘れてしまいます。


上の写真2枚は、常設展のお土産で買ってきた絵はがきです(上・・・ペーテル・パウルルーベンス作「眠る二人の子供」[1612 年]、下・・・ポール・シニャック作「サン=トロペの港」[1901年])。ルーベンスはベルギー展の方でも何点か展示されてましたね。