くじびきアンバランス 12くじ目(最終回)「ゆめをかなえてみよう。9点○」

う〜ん、また一つ楽しみな作品が終わってしまった・・・。毎度のことだが1クールは早すぎる。


千尋の時期生徒会辞退の発言を受けて、悲嘆に暮れ悩み続けた挙げ句、時乃が最後に行き着いたのは生徒会室。「だって千尋ちゃんは、りっちゃんが好きなんだもの!」 1話の小雪や4話の回想シーンといい、この作品における「泣き顔」作画は本当に力が入ってるなあ・・・。

そんな時乃のひたむきな言葉に心打たれた律子は、香澄に、そして自身の気持ちに決着を付けるため、単身如月家に乗り込む。達人級の剣技を誇る香澄からあれだけのプレッシャーを受け、真剣を突きつけられてさえ微動だにしない律子の胆力には驚嘆するばかり。香澄が時折律子に辛く当たってきたのも、律子の強さへの信頼と憧憬の裏返しだったのか・・・。これも一種のツンデレ?ただ、あれだけ強気だった香澄が平伏するまでの一連の描写があっさりし過ぎだったのが残念。もっと話数に余裕があれば・・・。

見事決着をつけた律子は、千尋に大切なことを伝えるため二人きりに。OPのヘルメットを脱ぐシーンに象徴されるように、律子はついに統治者としての「会長」から幼馴染みとしての「りっちゃん」へ、初めてその素顔を晒します・・・ていうかメット脱いだ律子は可愛すぎる(;´Д`) 「時乃ちゃんが笑ってくれる、千尋ちゃんが助けてくれる」という魔法の呪文・・・。言葉は交わさずとも、大切な存在を、そして支え合うことをお互いに知っていた。本当に素晴らしい幼馴染みですわ、この3人は。

ラストの新生徒会演説シーンでは、今までの登場キャラが総出演(宇宙人たちまでいるし!)。そして最後は千尋が“ウン”をつけられて終了・・・。何というか、このアニメらしい終わり方だったなあw それにしても、あのヘルメットはファッションではなく、代々会長に受け継がれてきたものだったのか・・・。あの個性の強いメンバーたちがどのように時期生徒会を運営していくのか、非常に興味深いところです。


まとめとして、元はげんしけんの劇中劇として出発したイロモノ企画だったにも関わらず、その設定以上に魅力的で、作画・演出とも丁寧に作り込まれた作品だったと思う。亜細亜堂は実に良い仕事をしてくれました。くじアン同様、亜細亜堂が元請制作している「絶対少年」はまだ観たことがないのですが、これを契機にレンタルしてみようかと思います(特に、色彩設計の一瀬美代子さんのお仕事が気になります)。
脚本に「くじびき」の設定をもう少し上手く織り込んでいれば完璧だったのでは(でも正直生かしようが無かっただろうな、あの設定は・・・って、確か次回予告でげんしけんメンバーの誰かもこんなセリフ言ってたようなw)。
水島監督は、先日出版された『くじびきアンバランスOFFICIAL FANBOOK』内で、上層部に企画を説明するために「現代版うる星やつら」という表現を使ったと言っていたけれど、それならばこそ、うる星並みにとは言わないがもっともっと長く観ていたい作品だったなあ。設定的にもまだまだネタに出来そうな部分は沢山あったし、勿体ない・・・(リサとかリサとかリ(ry )。
何はともあれ、この作品と出会えて良かったです。スタッフの皆様に感謝。