『モネ大回顧展』@東京国立新美術館 感想

mixi日記からの転載です】


新しい環境のおかげで、アニメ視聴はおろかニュースサイトチェックさえままならない状態のため、ほぼ一ヶ月ぶりの更新となってしまいました・・・orz
このモネ展も3週間前に行ったのですが。雑事に追われてグズグズしている内に遅くなってしまいました・・・。やっぱイベント事の感想ってのはすぐ書かないとダメですね。

さて肝心の内容ですが、モネ好きの自分にとっては「素晴らしい」の一言でした。今回のモネ展は、今年2月に開館した東京・国立新美術館(六本木)の開館記念でもあるのですが、よくもまああれだけ古今東西に散らばったモネ作品を集めたものです(協賛企業と東京都を介して一体どれだけのマネーが飛び交ったのか・・・なんて生臭い話は止めましょうw)

モネ作品後年の特徴として「連作」というものがあります。対象を限定し、光や大気の変化がどのように色彩へ影響を及ぼすのかを追求した彼独自の試みですが、今展でも連作は多く展示されていました。
特に印象に残ったのが、夏〜秋・冬を移ろいゆくフランスの農村風景を、光の微妙な加減と細やかな色彩変化で表現しきった「積みわら」3連作。正面に立っていると、麦畑の蒸せた匂いが伝わってくるようでした。この3点を直に観れただけでも、この展覧会に行った意味はありましたね。
通常、こうした連作が一同に会する機会は滅多にないため、本当に貴重な経験でした。

素人の私が言うのも何ですが、モネの自然における微妙な色調や光に対する感覚は実に類い希なものだと思います。加えて、日本画にヒントを得た細部を描き込まない平坦な画面利用や、近景・遠景対比といった大胆な構図が「眼の画家」たるモネの存在を一層際立たせています。

そして私も初めて気付いたことですが、モネ作品というのは写真で観るのと生で観るのとでは全く印象が異なります。点描を用いて描いているため、近寄ったり離れて観たりすることで色の感じ方も全然違いますしね。
このモネ展も7月2日まで開催されているので、興味のある方は是非一度立ち寄ってみてはいかがですか?絶対損はしないと思いますよ〜。


最後に、この展覧会で特に気に入った作品群を以下に挙げておきます。

「日傘の女性」1887年
「コロンブの平原、霜」1873年
「ヴェトゥイユ」1879年
「かささぎ」1868-69年
マルタン岬から見たマントンの町」1884年
「ポール=ドモワの洞窟」1886年
「エプト川の釣り人」1889年
「舟遊び」1887年
セーヌ川の朝、霧」1897年
セーヌ川の朝(ジヴェルニーのセーヌ川支流)」1897年
「黄昏、ヴェネツィア」1908年
「ポプラ並木の下で、晴天」1887年
「積みわら」1885年
「ジヴェルニーの積みわら、夕日」1888-89年
「積みわら、夏の終わり、朝」1891年
ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔」1893年
「霧のルーアン大聖堂」1893-94年
「サン=ラザール駅」1877年
「国会議事堂、日没」1904年
「睡蓮」1907年